こんな疑問にお答えします。
本記事の内容
- どのようなトレーニングで体力がつくのか
- 体力をつけるために、運動でどんな基準を設ければいいのか
このような内容を解説しますね。
この記事を読んで、皆さんの健康の一助になれば嬉しいです。
では解説していきます!
心肺機能って、やっぱり重要
心肺機能の重要さはもはやいうまでもなく、世間一般で言われるところの『体力』ってやつですね。
この機能がしっかりとしているかどうかで、早期死亡率に関わってくるらしい。
寿命を予測するモノサシ『心肺機能』
簡単に言えば、体力があって疲れにくい人ほど長生きしやすいって話です。
なんとも当たり前の結論ですが、寿命について調べた2014年に出た研究( ① )によれば、
普通の体型で体力がある人にくらべて…
死亡率
- 肥満な上に体力がない人の死亡率 2.46倍
- 普通の体型で体力がない人の死亡率 2.42倍
- 肥満だけど体力がある人の死亡率 1.21倍
肥満・普通体型ともに、体力がないと死亡率は同じぐらい跳ね上がっちゃうわけであります。なんということでしょう…
ここからわかることは、
- 減量より体力を付けるほうが長生きには大事
- 肥満体型の人は、ダイエットより体力UPを優先させるべき
この論文は過去に行われた10件のデータをまとめたメタ解析(多くの論文をまとめた論文)、科学的にも信頼が高い内容です。
また近年「心肺機能は鍛えれば鍛えるほど良い」って傾向も確認されてまして、とにかく運動については生涯にわたって続けるしかないわけ状況ですね。
しかーし、
そう言っても、慣れない運動をいきなり、やったりやりすぎたりすることは、逆効果になるパターンも散見されます。体が壊れたり、精神的に不調をきたすケースまであるので、いきなりは間違いです。
運動の正しい負荷のあげ方
そんな状況で、運動の負荷レベルのコントロールは重要ですね。
この問題について、役立つ論文( ② )が出ておりました。
この論文は、心肺機能に関する信頼のブランド「Circulation」(アメリカ心臓協会のジャーナル)に掲載されたものです。アメリカ心臓協会の研究チームが300以上の先行研究を見比べ「エクササイズの正しい負荷のあげ方とは?」など問題について、現時点で言えそうなことをまとめてくれたデータです。
まずそこでわかった大部分の結論から
ポイント
- 定期的な運動による体力の向上は、"大多数の人”にとってリスクをはるかに上回る効果がある。
- 一方、体調不良の人、心臓に問題がある人は、負荷の高い有酸素運動をすると心臓病の危険性が高まる。
ということです。
私たちも知っているけど、データとして出されると納得ですね。論文曰く、
激しい運動に慣れていない人がマラソンなど参加することで、突然の心停止や心房細動、心臓発作のリスクが高まる!
急に激しい運動をすることや、ランニング・ダッシュみたいに血圧が急激に上昇するような運動は、慣れてない人は止めるよう述べております。
なかなかやる人はいないでしょうけど。
そこでこの論文が、最終的に推奨していることは、
ポイント 中程度から高強度の身体活動をゆっくりと増加させ、心肺機能の適応レベルを少しずつ長期的に改善していくのが最高の戦略である
つまり、
中強度とは3.0-5.9METs、高強度は6.0METs 以上の強度の身体活動を意味しますので、基本的に3.0METs 以上の身体活動が前提になります(この図は歩行METsを示しています( ③ ))。
エクササイズで心肺機能(体力)を上げる方法
エクササイズで心肺機能(体力)をあげるために
- 運動の期間
- 頻度
- 強度
を細かく調整しながら、過剰なトレーニングにならない最適なラインを常に判定し続けるよう強調されています。
そこで、アメリカ心臓協会はエクササイズの最適な部分に当てはめるために、以下のガイドラインを推奨していました。
米心臓協会ガイドライン
- 運動前、ゆっくりとしたペースでウォーキングなどの計画的な運動を行い、心拍数を徐々に上げる
- 運動後は、ゆっくりと歩きながら心拍数を正常レベルにもどす(いきなり休まない)
- 運動不足な人や座り仕事が多い人は、まず平地で6〜8週間ゆっくりと歩くことから始める。それに慣れたら、坂を登る、ジョギングをする、より活発な活動へ参加するなど、少しずつ負荷を上げていくようにする
- 有酸素運動に費やす時間は、約5分から10分ずつ少しずつ増やしていくこと
- 息切れ、ふらつき、胸痛または胸部圧迫感などを感じたら、負荷を上げるのを止め症状の様子をみる
- 特定の環境(高湿度や高高度)は、心臓に負担をかけるので運動強度を下げること。高地で運動をする場合、少なくとも体を慣らすために少なくとも1日を費やすべきである
5〜10分ぐらいのレベルで、ジワジワと負荷を増やしながら、活発な活動につなげていけたらいいですよね。
皆さんの健康の一助になれば幸いです。
ではまた〜